テキスト・マイニングは、AI/機械学習技術を使用することで、文章解析の精度と処理速度が向上し、利用分野が拡大している。本稿では、テキスト・マイニングの新たな利用分野の代表例として、コールセンター業務の効率化を目的としたテキスト・マイニングの活用動向について解説する。
ITRの調査では、テキスト・マイニング/ナレッジ活用市場の2020年度の売上金額は134億円、前年度比11.7%増となり、2021年度はこれを上回る同14.2%増の高い伸びを見込んでいる(図1)。
なかでも、コールセンター業務の効率化は2020年度以降、急激に需要が増加した分野である。コロナ禍により多くの業務がテレワークに移行するなか、コールセンター業務は移行が難しいと考えられている。個人情報を多く扱うコールセンター業務では、テレワーク形態でのセキュリティの確保が難しく、接客対応を行うオペレーターは一般的な事務職よりもモチベーションが低下しやすいため、対面での労務管理が重要となる。さらに、既存のコールセンターもソーシャルディスタンス確保のため、同時に勤務するオペレーターの人数を削減する必要があり、業務の効率化が急務となっている。
このような背景から、コールセンター業務のなかでも負荷の高い要約文書作成およびFAQの自動作成・自動検索の2つのソリューションがテキスト・マイニングの需要を増加させている。