市場シェアの高いクラウドサービスやミドルウェアにロックインされることを嫌う企業が散見されるが、ロックインを自社で定義し、ロックイン時のリスクを定量評価している企業は少ない。ロックインされたときに自社にとってどのような不都合が生じるのか、そしてそのリスクは受容できないものなのかを、定量的に評価し判断すべきである。
ITソリューションを選定する際に頻繁に言及される単語のひとつに「ロックイン」がある。自社標準として選定したソフトウェアやハードウェアがプロプライエタリ(独自仕様)などであることによって、他の製品への転換が困難になり、その製品を利用し続けざるを得ない状態に陥ることを「ロックイン」と称する。ある製品にロックインされると、ベンダーの価格戦略に従うしか選択肢がなくなり、保守などのランニングコストの削減が困難になる。一般に、企業はベンダーに価格コントロールされることを嫌うため、IT部門に限らず、どの部門においてもロックインは回避すべき事象といえる。