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【R-221115_6963144759】従業員のデジタルリテラシーの向上策

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Sep 17, 2023 2:47:06 PM

DXの推進には、個別のデジタル化施策にとどまらず組織カルチャーの変革を含む多岐にわたる取り組みが必要である。そのためには、経営層、ミドルマネージャー、現場スタッフを含む全ての従業員がDXの重要性とデジタル化の本質的な意義を正しく理解し、自分事として捉えて取り組む必要があり、全社的なデジタルリテラシーの向上が不可欠といえる。

全社的なデジタルリテラシーの向上が求められる背景

多くの企業がDXに取り組んでいるが、円滑に進んでいる企業は必ずしも多くはない。DXの推進には、個別のデジタル化施策にとどまらず、制度や組織カルチャーの変革を含む多岐にわたる取り組みが必要である。経営者が旗を振り、DX推進組織が孤軍奮闘するだけではうまく進まない。特に重要なのは、変革の本丸となる事業部門の現場スタッフの積極的な関与といえるが、多くの推進者から「事業部門の協力が得られない」「現場の参画意識が低い」といった声が聞かれる。

また、人材という点では、AI技術者やデータサイエンティストといったデジタル専門人材の確保・育成に注目が集まりがちだが、企業がDXを着実に前進させていくには、専門人材だけでなく、使い手側であり、顧客に価値を届ける主体でもある全ての従業員のデジタルリテラシーの問題を避けて通ることはできない。たとえ有効なデジタル技術やサービスを導入してもそれらを使える人が少なければ、デジタル化は浸透せず定着しないため、コストに見合った効果は期待できない。企業がDXの先に目指す姿とは、働き方や社内の業務プロセス、ビジネスモデルなどの全てが、デジタルを前提として組み立てられている状態といえる。そして、その姿を維持していく土台としてデジタルに適合した組織カルチャーを手に入れることが求められ、そのためには従業員一人ひとりの意識の変容とデジタルリテラシーの向上が不可欠である。