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【R-221103_6963143573】デジタルアダプションプラットフォーム

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Sep 19, 2023 4:40:13 AM

企業におけるアプリケーション投資によるビジネス効果を向上させるためには、開発時の要件定義・設計・プログラミングなどの作業だけでなく、導入後の利用の定着化も重要な鍵となる。ユーザーにとってわかりやすい、快適な操作支援を提供し、アプリケーションの利用を「定着化」に導く取り組みは「デジタルアダプション」と呼ばれ、国内でも重視され始めている。本稿では、そのサービスとして市場に提供されているデジタルアダプションプラットフォームの機能と活用の利点について考察する。

デジタルアダプションプラットフォームとは

アプリケーション利用において、ユーザーの定着化を図る取り組みであるデジタルアダプションの支援領域を大きく2つに分類すると、画面の操作手順をわかりやすく手ほどきするなどの「フロントエンド側支援」と、操作上の課題がどこにあるのかを定量的に可視化するための「バックエンド側支援」に分けることができる(図1)。

「フロントエンド側支援」とは、UI(ユーザーインタフェース)の理解を補足するため、ポップアップなどのヘルプや入力欄のガイダンスやエラーチェックなどを指す。従来から提供されているマニュアルやFAQもフロントエンド側支援に近いが、膨大なマニュアルや別画面で用意されたFAQは好まれない傾向にあり、昨今は、よりUIに近く操作に寄り添うかたちでの提供が試みられている。さらに、チャットや音声などの入力を対話型で行うUIや、動画による説明の活用も進んでおり、ユーザーのシステムへの理解を促進する効果を発揮している。

図1.デジタルアダプションの支援領域

出典:ITR

「バックエンド側支援」は、ユーザーのアプリケーション操作を把握・分析し、利便性を高め改善する活動を指す。日々のユーザーのシステム操作ログを収集し、蓄積されたデータを解析することにより、ユーザーの利用有無や頻度、操作のつまずき、エラー発生の多い箇所などを見つけ出す。そして、ユーザーの個別支援や定期的に行われるシステム改善に反映する取り組みである。