レポート・ライブラリ|株式会社アイ・ティ・アール

【R-221085_6962967427】マーケティングにおける個人情報保護の要点(後編)

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Sep 15, 2023 5:19:50 PM

2020年6月、「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律」が公布された。この改正でデータの利活用に関して創設されたのが「仮名加工情報」である。本稿ではこの「仮名加工情報」について、活用のメリットと留意すべきポイントについて解説する。

個人情報保護法が求める「目的の範囲の利用」

個人情報保護法で押さえておくべきポイントのひとつが、「目的の範囲の利用」である。個人情報を取得した事業者がその個人情報を利用する際には、「どのような目的で個人情報を利用するか特定し、その目的を公表しておく」「取得した個人情報は目的の範囲内で利用する」「すでに取得した個人情報を他の目的で利用する場合は、本人の同意を得る」といった利用目的に関するルールの遵守を求めている。さらに、2020年6月公布の改正法では、第三者に情報提供するケースにおいて、それらが提供元においては個人情報でなくても、提供先において個人データとなることが想定される情報は、本人同意が得られていることなどの確認が義務づけられる。例えば、①Cookieなどの端末識別子、②特定の個人を識別できないメールアドレス、③商品やサービスの購買・利用履歴、④位置情報、⑤興味・関心を示す情報、などが対象となり、これらを第三者に情報提供をする際には、明確な目的の提示と同意の取得が必要となり、一層の注意が必要である。2020年の改正法で求められる同意管理のポイントについては、ITR Review 2021年5月号『マーケティングにおける個人情報保護の要点(前編)』(#R-221051)を参照されたい。

目的の明示や同意取得ついては、今回の改正でより厳格な運用が求められる一方で、利用を社内などの内部分析に限定する用途においては、その制限は緩和される。これが、「仮名加工情報」である。