不確実性が高く先行きが読めない時代において、迅速かつ適正な意思決定を行うためには、ビジネス活動や顧客の状況に応じて最適なデータを利活用することが求められる。デジタル化により、あらゆるデータの取得と蓄積が進むなか、組織の階層やシステムの境界に左右されない時系列のデータを有効活用していくことが、企業の競争優位性を大きく高める。
デジタル化が進展し、「全てがデータでつながる時代」が到来することで、企業の競争優位は、製品やサービスからデジタル技術やデータの活用に依存する割合が高まっていくと想定される。こうした世界観を受けて、昨今、データドリブン、あるいはデータ主導といったキーワードがさまざまなビジネス活動や事象に付与され、ブランド化してきている。データドリブン・マーケティング、データドリブン経営、データドリブン・エコノミーといったものがその例である。端的にいえば、「データの利活用を促進する」「データによる意思決定を高度化する」ことを狙い、従来に比べてデータの比重をより高くするためにテクノロジを活用したり、データの効果的な分析を通じて社会や組織のあり方を見直したりすることに力点が置かれている。
確かに、デジタル技術やAIは急速に進展しており、目をそらすべきでない。経験と勘に頼った経営判断や意思決定ではなく、売上げデータやその背景となるデータ、IoTデータ、機械学習やAIを活用することで経営やビジネスを高度化することは、大きな期待であり自然な帰結ともいえるだろう。