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【R-220103_6962705773】ニューノーマルにおけるWeb会議のあり方

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Sep 17, 2023 2:10:45 AM

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、面談や会合が制限を受けるなか、遠隔地をつなぐコミュニケーション手段としてWeb会議サービスの利用が一気に拡大した。今後、コロナ禍が収束に向かうとしても、移動や渡航の制限は当面の間続くことが予想されるため、Web会議サービスはビジネスに不可欠なツールとして定着すると見られる。本稿では、コロナ禍で急成長したWeb会議市場の現状と、今後に向けた活用のポイントについて解説する。

コロナ禍で急成長したWeb会議市場

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、Web会議サービスは数あるITツールのなかで最も需要が拡大したもののひとつである。緊急事態宣言期間中の2020年4月にITRが実施した「コロナ禍の企業IT動向に関する影響調査」では、コロナ禍によってWeb会議(またはウェビナー)サービスを新規導入または追加導入を決定した企業の割合は41%に上り、「グループチャット/社内SNS」(25%)、「勤怠・就業管理」(23%)に大きく差をつけてトップとなった。

市場規模も急成長しており、ITRがコロナ禍の影響が顕著であった時期に実施した市場調査の結果によれば、2020年度(2020年4月〜2021年3月)におけるWeb会議の国内市場規模は197億円と、200億円の目前に迫ると見込んでいる。これは、2019年度の111億円から実に77%という大幅な成長率である(図1)。

こうしたWeb会議サービスに対する需要拡大は、決して一過性のものではない。コロナ禍の沈静化に伴って経済活動は徐々に再開の兆しを見せているとはいえ、国境をまたぐ渡航や大規模な会合の開催は依然として厳しく制限されている。コロナ禍以前のように自由な移動や会合が行える環境が世界的に整う時期については、見通しさえ立っていないのが実情だ。

こうした事情を勘案すれば、Web会議はあらゆる企業において、ニューノーマルにおける必携のビジネスツールとして定着すると考えられる。ビジネスニーズを反映した新機能や新サービスなどが続々と投入されることも期待される。

図1.国内Web会議市場の実績と予測(売上金額ベース)

出典:ITR「ITR Market View:コラボレーション市場2020」