サービスビジネスを指向した取り組みが多くの企業において見られるが、そのビジネスモデルは多岐にわたり、収益化の方法も多様化している。ビジネスアイデアの創出や事業計画の立案にあたっては、収益化のパターンと特性を理解したうえであるべき姿を描くことが求められる。
旧来からのモノ売りから脱却し、サービス提供型のビジネスを指向する企業は依然として多い。しかし、今日のサービス市場は、ビジネスモデルが複雑化しているだけでなく、その商材もデジタルコンテンツ、ソフトウェア、設備・機器、役務、日用品、衣料、食品など多岐にわたる。モノ売りのビジネスモデルは、基本的にモノが備える機能、性能、デザイン、ブランドといった価値を提供し、それに見合った対価を受け取る。顧客にはサポートなどのサービスを選択する余地があり、市場相場といった変動要素もあるが、モノ売りとは、基本的にはモノとカネの等価交換というシンプルな取引である。これに対して、サービスのビジネスモデルは種類が多く、収益化手法も多様だ。そのため、革新的なビジネスアイデアの創出や事業計画の立案に際しては、収益化の視点からビジネスモデルをパターン化して理解しておくことが有益である。