企業は、基幹系システムのクラウド化への注力を高めてきている。基幹系システムのクラウド化を実践する際は、業務領域をどのように決定しシステム化するかのアプローチや構想が重要となる。本稿では、統合型システムから単機能型システムへと分離するアンバンドリングを、その選択肢のひとつとして述べる。
ITRでは、2019年8月から9月にかけて「IT投資動向調査2020」を実施した(ITR Review 2020年1月号「IT投資の方向性を左右するデジタル変革」 #R-220011)。今回の調査では、主要なIT動向についての調査項目を前回から刷新してより具体的な20項目を取り上げ、その重要度と実施状況を確認した。
図1は、企業におけるIT動向の重要度を「高い」「中程度」「低い」の3段階に分けて得た回答に重み付けし、各項目の有効回答数で除した重要度指数の上位10項目のIT動向と、それらの現在の実施率および2022年度の実施率予想を示した。
「基幹系システムのクラウド化の実践」は、重要度指数だけでなく現在の実施率でも2位であり、5社に1社が基幹系システムのクラウド化に着手していることが注目される。