プロジェクト管理ツールは、企業規模や業種を問わずさまざまな活動のスケジュールや進捗などを管理するために広く利用されているが、どのようなツールを選ぶべきかの選択には迷いが生じがちである。企業は、プロジェクト管理ツールの進展や製品分野を業務の対象や目的から確認しながら、適切なツールを選択していくべきである。
ITRでは、最近プロジェクト管理ツールに関する問い合わせを多く受けるようになってきている。スマートフォンやモバイルデバイスでの利用を前提としたSaaS型のプロジェクトやタスク管理ツールが数多く提供されてきたことが、大きな理由の1つであることは確かであろう。例えば、Microsoft PlannerやAsanaといった、チームで利用するタスク管理ツールを指定した問い合わせがこれにあたる。また、企業が働き方改革の実施や取り組みにおいて、これまで以上に業務のスケジュールや進捗などの情報共有を重視するようになったことも、メールやカレンダーより一歩先のプロジェクト管理に関する関心が高まった背景であろうと思われる。
一方、情報システム導入に関わるIT/業務部門のプロジェクト進捗や研究開発部門の開発テーマ管理を支援するツールといった、従来からある典型的なニーズに関する問い合わせもある。そして、基幹系システム導入に際して、債権・債務管理、調達/購買管理、経費管理、予算管理などを横断するプロジェクト管理システムをどう構築すればよいかといった依頼を受ける場合もある。
これについては、一般会計における総勘定元帳の明細を目的別(売掛金、買掛金、現金、商品、固定資産など)に管理する補助簿・補助元帳と同等にプロジェクトを統制的に管理する必要があるのか、明細データにプロジェクトの属性が含まれ事後に分析できれば問題ないといったサブシステム的な用途かで、選ぶべき製品/ツールや構築方式が異なる。そのため、自社の要件をシステム化の構想に落とし込んで入念に検討していく必要がある。