デジタルトランスフォーメーション(DX)に対する盛り上がりとともにアジャイル開発に取り組む国内企業が増えている。アジャイル開発は一見非常にシンプルな開発方法論に見えることから、その思想と背景を十分理解しないまま、外部から経験者の支援も受けずに自社独自で開発を進める企業も多い。これからアジャイル開発に取り組む企業は、過去に多くの企業が失敗した経験を参考にして、確実な成果獲得を目指すべきである。
多くの国内企業において、デジタルトランスフォーメーション(DX)に対する取り組みが始まっている。ビジネス上のアイデアを迅速かつ柔軟にアプリケーション化するためには、アジャイル開発が極めて有効である。時間をかけて精度の高い要件定義およびシステム仕様を策定した後に実装に入るウォーターフォール開発ではDXを進めることは不可能といってよい。短期間に要件策定しシステム設計しコーディングを行い運用(ユーザー利用)を行うプロセスを何度も繰り返す、アジャイル開発は、方法論としては一見非常にシンプルに見えるため、アジャイル開発に未経験の企業が経験豊富な外部技術者から支援を得ずに取り組むことも少なくない。しかし、その場合、成功率が低いのが現実である。本稿では、アジャイル開発に十分な経験や知見がない企業が陥りやすい間違いを紹介する。