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【R-218083_6962975592】次世代DWH検討における留意点

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Sep 25, 2023 4:17:58 AM

データ分析システムの基盤として構築されてきたDWHが、多くの企業において更新時期を迎えている。次世代DWHの検討にあたっては、ビッグデータの活用が最優先課題となっているが、このためには新しい技術の導入やスキルの習得が必要になる。本稿では、ビッグデータ活用を目的としたDWHの拡張において留意すべきポイントを紹介する。

ユーザーが行う分析業務の変化

ビッグデータ活用を目的にDWHの拡張を行う際、最初に留意すべきは、ユーザーが行う分析業務の内容が大きく変化する点である。

従来のDWHにおいては、ユーザーの大多数は一般ユーザーであり、決まった形式のレポートを閲覧するだけの「定型的な分析」を行っている。データ分析を担当する一部のユーザーは、異なる視点での集計や、新たな指標の作成といった「非定型な分析」を行っているが、このレベルであっても、加減乗除で計算可能な範囲でデータを集計し、折れ線グラフや棒グラフといった古典的な可視化手段による分析にとどまるのが一般的である。

一方、ビッグデータの分析においては、相関、回帰、確率分布といった統計的な分析手法を利用して、大量のデータから、新しい顧客分類、潜在的な顧客ニーズ、複雑な購買パターンといった未知の知見を発見する「探索型の分析」が行われる。これが、さらに高度化すると、AI/機械学習を利用して未来を予測する「予測・推論」が行われるようになる(図1)。

また、「探索型の分析」や「予測・推論」においては、分析の結果を仮説として捉え、日々発生する実績データによって検証を行う、いわゆる仮説検証型の分析プロセスが採用される。そのため、このレベルの分析を行う担当者は、従来のDWHにおいて通常業務をメインとしつつデータ分析を兼務する「非定型分析」の担当者とは異なり、データ分析をメインの業務とする専任担当者となるのが一般的である。

図1.大量のデータから未知の知見を発見する「探索型の分析」と「予測・推論」

出典:ITR