ITを活用した新しいビジネスモデル創出には、イノベーション人材の存在が不可欠だ。しかし、労働人口の減少などにより人材不足が進む状況で、実績ある人材をキャリア採用するだけでは人材確保が十分に行えない状況にある。企業は、ポテンシャル採用を導入し、自社が求めるイノベーション人材像へ育成することが重要となる。
技術進歩が加速度を増し、過去の延長線上にあるビジネスモデルでは企業の持続的成長が難しい状況となっている。ITによる新たな収益の源泉となるビジネスモデルの創出が期待され、企業ではイノベーションを牽引する人材の確保が急務となっている。
これまで企業はイノベーションを創出する人材(以下、イノベーション人材)については、実績や必要なスキルを持ち即戦力となる人材をキャリア採用によって確保してきたが、これからは新しい人材の採用と育成手法の導入に乗り出すべきである。ITRでは、イノベーション人材の獲得にポテンシャル採用を導入し、自社が求める人材像に応じて育成することが重要な施策のひとつとなると提言する。ポテンシャル採用とは、潜在能力の高い人材を自社で育成することを前提とした採用の方法で、過去の実績を重要視するキャリア採用とは対局の位置にある。2016年10月にヤフーが30歳以下であれば経歴不問で応募可能とするポテンシャル採用を発表して注目を集めたことで、事例は少しずつ増えてきている。