マーケティング関連ITへの投資が拡大するなか、同分野への製品/サービス導入にIT部門が関与する機会が増えている。本稿では、マーケティング関連ITの中でもIT部門の担う役割が大きいと思われるマーケティング・オートメーションとDMPについて、改めてそれぞれの役割と関係を整理する。
ITRでは、国内企業におけるIT投資動向の包括的な把握を目的としたアンケート調査を2001年より毎年実施している。2016年秋に実施した「IT投資動向調査2017」では、主要なアプリケーション分野の中で、2017年度の「投資増減指数」が最も高かったのは「マーケティング・オートメーション」(以下、MA)であった。「投資増減指数」とは、導入企業における次年度(2017年度)の投資額の増減傾向を指数化したものであり、算出方法は、「拡充(+20ポイント)を予定」「現状維持(±0ポイント)」「縮小・撤廃(-60ポイント)を予定」とし、加重平均したものである。
図1は、ITRが発刊しているベンダーへの調査とユーザー・アンケート調査を融合させた市場調査レポート「ITR Cross View:マーケティング管理市場の実態と展望2016」の中で、MA導入の主体部門についての回答結果だ。「情報システム部門、またはIT担当者が主導している」が約4割で最も多く、「コストや使用人数など、何らかの制限により、どちらかといえば情報システム部門、またはIT管理者が主導している」を合わせると、約7割の企業において、IT部門またはIT管理者/担当者が主導していることが明らかになった。一方、マーケティングITに関する課題として、「マーケティング関連のITに長けた人材が社内にいない」をあげる企業が多く、実際、同調査レポートの2015年版においては、18.3%の企業が課題として最もあてはまるとしている。