ヘルスケア業界における課題として「労働人口における2025年問題」があり、将来、病院を含め医療の享受に大きな変化をもたらす可能性がある。また、ヘルスケア事業を革新する技術のひとつにIoTがあり、大きなビジネス市場を形成するとITRでは見ている。本稿では、ヘルスケア事業におけるIoTの活用方法や注意点について述べる。
ヘルスケア業界では、「労働人口における2025年問題」が大きな課題となっている。労働人口における2025年問題とは、10年後には日本人の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上になり、国内の労働力の確保が難しくなることを指す。
安定した労働人口の確保のためのひとつとして、国はストレスチェック制度を2015年から企業において義務化した。また、日本における死因の約6割をがんや心疾患などの生活習慣病が占める(平成26年版厚生労働白書)ことから、未病や健康管理についてのヘルスケア対策が国策として推進される予定となっている。