ここ数年RDBMSは、NoSQLやHadoopに対抗するために、インメモリ技術やカラムストアなどの処理の高速化に注力してきた。しかし、最近では、ユーザー企業のITインフラのクラウド化に対応するために、パブリッククラウドの提供(DBaaS)や、ハイブリッドクラウドへの対応を強化してきている。本レポートでは、主要RDBMSベンダーの最新の製品動向と今後の方向性を分析する。
昨今のユーザー企業におけるデータ活用の注力領域は、業務アプリケーションやERPのようなトランザクション系システムから、市場や顧客の動向を分析するような分析系システムへと移行してきている。さらに分析系システムではこれまでのDWHに加え、ビッグデータと呼ばれるソーシャルメディアやWebログのような非構造データ、さらにはIoTのようなセンサーやマシンから発生する更新頻度の高い多量なデータの利用が増加しつつある。また、データ処理システムでは、検索処理とスケーラビリティの高速化、そして非構造化データに対する処理のしやすさが求められている。その結果、トランザクション性能よりも検索機能に重きを置いたHadoopやNoSQLのようなデータ管理システムが注目され、これまでのRDBMS一辺倒から用途に応じて適切なデータ管理システムを使い分けるべきであるという意見が一般的となった。Microsoft社、Oracle社などの主要な商用RDBMS製品ベンダーでは、HadoopやNoSQL製品を自社の製品ライアップに加えている。