クラウドサービスの市場拡大は企業向けのIT市場においても、大きな変化を生んでいる。ベンダー各社は、ここ数年の垂直統合から新たなエコシステムの構築へと急速に戦略を変化させている。IT部門はベンダーの急速な戦略の転換に注意する必要がある。
ここ数年のIT関連において、最も注目されている動向のひとつは、クラウドサービスである。図1は、総務省が実施した日米両国におけるクラウドサービスの利用状況に関するアンケート調査結果である。これを見ると、米国企業ではすでに、クラウドサービスの利用が70%を超えており、広く浸透していることがわかる。一方、日本は米国に比べると割合は低いが、ここ数年高い伸びを示している。平成24年度には、42.4%が「利用している/利用していた」と回答しており、国内企業でもクラウドサービスの利用がかなり進んできたことがうかがえる。