グローバルビジネスを拡大する国内企業が、今後どのように経営管理システムを高度化していくべきかについて事例を踏まえて考察する。企業は、従来のバックオフィス型の経営管理システムから、オープンかつ現場指向のオペレーショナル型経営管理システムの構築を目指すべきであり、それにより、広域経済圏をまたがる複雑化したビジネス活動の意思決定を支える仕組みとすべきである。
ビジネスの状況を、適切なタイミングで計画対実績として把握しつつ、施策の軌道修正や次の一手を計画にフィードバックできるシステムは、マネジメントにとって欠かせざるものであろう。さらに、昨今のように経営にインパクトを与える環境変化のスピードが極めて速い状況においては、グローバルに分散する経営資源をマネジメントするためのシステムは生命線でもある。ITRでは、2013年6月に経営管理の動向について調査を実施しているが(ITR Review 2013年6月号「ITR User View:経営管理動向調査」)#R-21306U)、今回、同調査から経営管理システムの導入範囲について問うた回答を確認してみたい。「グループ本社に加えて、国内外の主要グループ企業を含む」「グループ本社に加えて、国内外の大多数のグループ企業を含む」の回答を合わせると、すでに3割強の企業がグルーバルで経営管理システムを導入していることが確認できる(図1)。
国内企業が、今後グローバルでのビジネスをこれまで以上に強化することは必定であり、経営管理システムの導入範囲をグローバルに拡大する傾向は今後も弱まることはないだろう。