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【R-213075_6962525983】マーケティングITの運営体制

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Oct 1, 2023 2:47:45 PM

顧客とのコミュニケーションや販売データの分析など、マーケティング分野においてITを活用する場面は非常に多い。インターネットやソーシャルネットワークを活用したマーケティングが進展する中、これらを支援するITツールは高度化し、多種多様な機能が提供されている。適切な選択と活用にあたっては専門的な知見が求められる。

マーケティング組織の実態

マーケティング分野には、顧客や市場に関するデータ分析、コールセンター、WebやEメールの活用、Eコマース戦略などITの活躍の場が数多く存在している。また、今後急速な進展が予想される顧客エクスペリエンスの向上、顧客の声の収集と分析、顧客および潜在顧客のコミュニティへの接触、ソーシャル分野におけるインフルエンサーの活用といった先進的なマーケティング展開でのIT活用においては、高度な専門性を必要とする場面も多い(ITR Review 2012年4月号「マーケティングに対するITの支援」#R-212041)。

ITRでは2013年4月に、マーケティング分野でのIT活用の実態と、その運営および支援体制についてユーザー調査を行い、235社からの有効回答を得た。まず、マーケティング組織の体制についての質問では、B2CおよびB2B2Cといった一般消費者に対して商品/サービスを提供するビジネス形態の企業と、法人顧客を対象としたB2Bのビジネス形態の企業との間に大きな違いが見られた。全従業員数において有意な差がないにもかかわらず、B2CおよびB2B2Cの企業のほうが、B2B企業よりも明らかに大きなマーケティング組織を持っていることがわかった(図1)。前者では、10名以上の広報宣伝・マーケティング・販売企画部門を置く企業が半数を上回っているのに対して、後者では、そうした業務を専任で担当するスタッフさえ置いていない企業が3割前後も存在する。このことは、顧客の数、リーチ機会の多様性、顧客との関係維持(リピート)の困難さなどの点で両者に大きな違いがあることから、マーケティング活動自体の必要性を顕著に表しており、当然の結果といえるだろう。

図1.ビジネス形態に見るマーケティング組織の現状

出典:ITR