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【I-326011_45652107913】AIエージェントがもたらすビジネスとITの地殻変動

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Jan 21, 2026 12:00:00 AM
AIエージェントの特徴と、その活用の実態はどのようなものか
AIエージェントの登場は、ビジネスとITにどのようなインパクトをもたらすのか
AIエージェントを活用するために考慮すべきポイントは何か

生成AI技術を活用したAIエージェントは、企業のビジネス環境に多大なインパクトをもたらすテクノロジである。業務の生産性向上に寄与するだけでなく、エンタープライズ・アプリケーションのあり方や従業員の働き方にも根本的な地殻変動を引き起こす可能性を秘めている。本稿では、AIエージェントの技術面の特性を整理するとともに、企業のIT責任者はもとより、経営層やビジネス部門の担当者が手にしておくべき実践的な戦術を解説する。

1.AIエージェントの特徴と活用実態

1-1.AIエージェントとは何か

ビジネスにおける生成AI活用は、コンテンツ生成や要約といった知的生産を補完する「提案・支援」の領域から、人に替わってタスクを担う「実行」の領域に拡大しつつある。その変革の中心に位置しているのが、目標達成のために自律的に行動するソフトウェアである「AIエージェント」である。ITRでは、以下の4つの能力を併せもち、有機的に連携させながらタスクを遂行できるソフトウェアを、AIエージェントと称している。

①知覚:多様な情報源(テキスト、センサーデータ、ユーザー入力、GUIなど)から、タスクの達成に必要な情報を収集し、その文脈や背景を含めて状況を把握することができる

②計画:与えられた目標に基づき、タスクを分解し、最適な行動計画を論理的かつ柔軟に策定することができる

③行動:API、ソフトウェア、データベース、あるいは物理装置など外部のシステムを介して一連のタスクを実行することができる

④記憶:過去の対話や推論、行動のプロセスと最終の結果を蓄積し、そこから学習することで将来の行動を改善することができる

こうした一連のサイクルをループさせることで、不確実な状況下でも自律的にゴール到達を目指すことができることが、AIエージェントの最大の価値である(図1)。

図1.AIエージェントの自律的なタスク遂行サイクル

出典:ITR

AIエージェントの特性をより明確にするために、隣接するテクノロジが「知覚・計画・行動・記憶」という4つの機能ブロックをどの程度備えているかを比較した(図2)。

図2.AIエージェントの類似技術との比較

出典:ITR

従来のITシステムは多くの場合、特定の機能領域に特化しており、例えば検索エンジンやBIツールは、一定の「知覚」はできるが「行動」や「計画」は行わない。一方、RPAは「行動」には強みをもつが、状況の変化を読み取る「知覚」や手順を動的に組み替える「計画」を苦手とする。

これに対して、AIエージェントは4つの要素を全て統合し、循環的に機能させる点が本質的に異なる。従来システムでは分断されていた能力を1つのアーキテクチャの中で連続的に扱える統合性こそが、AIエージェントが自律的な業務遂行主体として期待される最大の理由である。