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【I-325122_42150689314】AI/XRによる人材育成の変革とパーソナライゼーションの推進

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Dec 4, 2025 12:00:00 AM
企業内研修におけるIT活用の現状はどのようなものか
生成AIやXRは企業内研修において今後どのように活用されていくのか
研修内容のパーソナライゼーションはどこまで進むのか

企業内研修の実施形態は、リモート形式への移行にとどまらず、対話型生成AIを利用した質疑応答や、VR/ARなどを使ったメタバース/XR研修も進むなど、変革期を迎えている。一方で、個々の従業員のニーズに適合した研修コンテンツの推奨やコンテンツの自動生成がAIの活用により実現可能となってきている。今後は、先進テクノロジを使った人材育成の変革と、研修内容のパーソナライゼーションの推進が企業に求められる。本稿では、ITRが実施した調査結果を示しながら、現状を分析するとともに、今後の方向性について考察する。

1.企業内研修におけるIT活用の現状

1-1.集合研修の実施形態

今後の企業内研修の方向性を考察するにあたり、まずは、現状の取り組み状況を確認しておこう。ITRは企業内研修におけるIT活用の状況を明らかにする目的で、2025年9月に企業内研修の企画・運営の関与者を対象に調査を行った。

はじめに、集合研修の実施形態(全体結果)を見ると、半数以上(55%)の企業が対面形式とリモート形式を併用しており、対面形式のみで実施している企業(23%)とリモート形式のみで実施している企業(22%)がほぼ同数となった(図1)。リモート形式での集合研修は、合計すると全体の約4分の3(77%)の企業で実施されていることがわかった。

図1.集合研修の実施形態:従業員規模別

出典:ITR『企業内研修におけるIT活用に関する動向調査』(2025年9月調査)

従業員規模別に見ると、対面形式のみで実施している企業の割合は、企業規模が小さいほど高い傾向がみられるが、リモート形式のみとする企業の割合はいずれの規模でも2割強を占めた。小規模企業ほど集合研修のオンライン化に消極的な企業が多い一方で、企業規模にかかわらずオンライン化に極めて積極的な企業が一定の比率で存在すると考えられる。

さらに、両方の形式を併用している企業を対象に、その内訳を確認したところ、「対面形式が多い」とした企業が5割強(55%)を占め、4割弱(38%)が「リモート形式が多い」と回答した(図2)。

図2.対面形式とリモート形式を併用している企業での利用状況(現在)

出典:ITR『企業内研修におけるIT活用に関する動向調査』(2025年9月調査)

加えて、3年後(2028年)の予想を問うた結果を、現在の利用状況別にまとめた(図3)。

図3.対面形式とリモート形式を併用している企業での3年後の予想:現在の利用状況別

出典:ITR『企業内研修におけるIT活用に関する動向調査』(2025年9月調査)

全体では、約半数(51%)が「リモート形式が増える」と回答しており、今後もオンライン化が進むとみられる。特に、現状でリモート形式が多いと回答した企業の約3分の2(66%)は、さらに「リモート形式が増える」としており、これらの企業は将来全面的にリモート形式に移行すると思われる。