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【I-325091_34229735537】IT産業における市場評価のベストプラクティス

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Sep 11, 2025 12:00:00 AM
IT市場環境はどのように変化しているか
なぜ市場評価が求められているのか
有望市場を見つけるためにどのような評価を行うべきか

著しい技術革新と市場変遷から、ITおよびデジタル技術に関わる市場の動向を的確に認識し、評価することの難易度が一層増している。本稿では、ベンダーやSIerだけでなく一般企業も含めたITビジネスを手掛ける企業を対象に、有望市場の開拓に向けて推奨される市場評価の観点とその要点について述べる。

1.IT市場環境の変化

1-1.多様化するIT市場

生成AIをはじめとする著しい技術革新と市場変遷から、ITおよびデジタル技術に関わる市場の構図が急速に移り変わってきている。成長産業においては、多くの市場分野における市場規模の拡大に伴って、市場の細分化や新規市場の台頭による市場分野の数が増加している。ソフトウェア市場を例にとると、アイティクラウドが2022年に公開したB2B向けIT製品/SaaSのカオスマップでは、ソフトウェアの市場分野は約340カテゴリに上り、登録される製品数は約4,700に及ぶ(2022年1月28日付プレスリリース)。ITRが提供するソフトウェア分野の市場調査レポート『ITR Market View』が扱う市場分野も、年々増加しており、2024年は総数220に上る。

世の中のITに関わる市場分野には、これらの市場調査の対象となりにくい業界特化型の製品・サービスもあり、SIやソリューションといった市場規模の把握が困難な分野も存在する。概して、IT市場は多様化・複雑化の一途をたどっているのが現状である。