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【I-316103_6962567548】ヘルスケア市場におけるITの活用

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Oct 10, 2023 2:20:31 PM
ヘルスケア市場における課題とは何か
今後のヘルスケア市場に求められているIT活用領域とは
ヘルスケア市場に参入する際、どのような点に注意すべきか

ヘルスケア市場における大きな課題として2025年問題があげられる。また、将来的に病院を含め医療の享受に大きな変化が予測され、この分野におけるITの活用は、大きなビジネス市場となりうる。本稿では、変化を迎えるヘルスケア市場におけるIT活用やアプローチ方法について述べる。

拡大するヘルスケア市場と2025年問題

出典:厚生労働省

日本ではヘルスケア市場を一般消費者向けの予防医療や健康予防関連製品やサービスを含めた市場と定義しているが、本稿ではヘルスケア市場を「医師による医療行為関連市場(医療市場)と患者自身による予防医療を含む健康管理市場を含めた市場」と定義する。

日本では、2025年に団塊の世代の年齢が75歳を超え、国民の3人にひとりが65歳以上の超高齢化社会を迎える「2025年問題」が大きな社会問題となっている。

厚生労働省では、2025年までに介護や支援者を必要とする75歳以上の人が急激に増加すると予測している。そこで、厚生労働省と経済産業省は2030年のヘルスケア市場規模を試算したところ、就業者数は900万人で全就業者に占める割合が17%と拡大し国内最大の産業になるとしている。そのほか、経済産業省では、健康・福祉関連サービスの市場規模は2015年の約66.4兆円から、2025年までに2倍近い100兆円に拡大すると予測している。

これら2025年問題に対しては、①医療、介護支援を行う地域包括ケアの構築、②地域の医療機関で受診を行うかかりつけ医の制度化、③家庭医、在宅医、総合医の充実を行うプライマリケア(総合医)の推進、④地域ごとに将来の患者数の推定を行い医療の質の向上を行う地域医療データの分析と活用の推進などが望まれている。