IT分野の資産管理は旧来から行われているものの、資産の多様化やニーズの変化から管理手法やツールの見直しが進んでいる。本稿では、主にPC資産管理ツール製品を中心に市場の現状を解説すると同時に、資産管理のトレンドについて紹介する。
IT分野の資産管理は、技術の多様化やニーズの変化から管理手法やツールの見直しが進んでいる。本稿では、主に顧客需要とツール市場の観点からトレンドを解説する。まずは、資産管理のツール製品市場について見てみよう。
資産管理に関する市場分類としては、大きくEAM(Enterprise Asset Management)、IT資産管理、PC資産管理の3つがあげられる。EAMは、施設・設備、産業機器、プラントなどのいわゆる設備資産全般を管理対象としたもので、目的は主に保全管理にある。IT資産管理は、ライフサイクルを通じて、財務的側面からIT資産全般を管理する。ライセンス管理、リース管理、コスト管理、調達管理、契約管理などを行うものを指す。一方、PC資産管理は、インベントリ収集、ソフトウェア配布などの機能を備え、クライアントPCの構成情報の取得と変更を管理する。一言でいえば、インベントリ収集ツールである。
このように資産管理に関わるソフトウェアは、分野によって機能や役割が異なり、発言者の職域や立場によってもその意味合いが変わる。市場分野を特定しなければ、誤解を招く可能性があるため、留意しておきたい。