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【I-313102_6962649457】企業力強化に向けたPLMのシステム化構想

作成者: 株式会社アイ・ティ・アール|Sep 28, 2023 6:07:20 AM
PLMソリューションの現状とは
PLMのシステム化構想の進め方
PLM構想化の検討例

2000年初頭から提唱され続けているPLMであるが、ソリューションは未成熟で理想像にはほど遠い。国内製造業は、今後、適地生産からさらに踏み込んだ適地設計を支える情報システムの整備を本格化していくと見られる。実例をベースに、PLMのシステム化構想についてのポイントを述べる。

国内PLMの市場構造

出典:ITR「ITR Market View:SCM/MSE市場2011」のデータを基に作成

企業における製品開発やイノベーションを支援するシステムの強化が、かつてないほど強く求められている。製品ライフサイクル全体を管理するPLMは、こうしたニーズへの対応を目的としたソリューションであり、2000年頃から注目を集めてきている。

それでは、PLMは国内市場でどの程度利用されているかを、ITRの市場調査レポート「ITR Market View:SCM/MSE市場2011」のデータから確認してみる。国内PLM市場の2011年度のライセンス出荷金額は83億円であり、これを他の製品分野と比較したのが左図である。直接材・間接材購買のSRMより5.9ポイント低いものの、サプライチェーン計画系のSCP、サプライチェーン実行系のSCEを合わせた28.3%よりも4.6ポイント高いことが確認できる。

中央の図は、PLMに限定したライセンスの業種別出荷金額比率を示している。2009年度から2011年度にかけて、機械・精密・情報で6割強を占めており、組立製造業全体では8割以上となっていた。PLMは、組立製造業のCADデータを管理するPDMが源流のソリューションであり、その流れで組立製造業での浸透率が圧倒的に高い。

最後に右図は、PLMに限定したライセンスの売上規模別出荷金額比率である。売上100億円未満の中小企業の比率は低いものの、売上1,000億円未満を中堅・中小企業として合計すれば、売上1,000億円以上の大企業とほぼ同程度であり、大差ないことがわかる。