株式会社アイ・ティ・アール（所在地：東京都新宿区、代表取締役：内山悟志、以下「ITR」）は、クラウド・コンピューティング市場について市場調査を行い、『ITR Market View：クラウド・コンピューティング市場2012』としてまとめ、本日発刊します。同調査レポートは、PaaS／IaaS（Platform as a Service／Infrastructure as a Service）、DaaS（Desktop as a Service）、エンタープライズSaaS（Software as a Service）の3つの市場を対象としています。本日、そのなかからPaaS／IaaS市場規模予測を発表します。
PaaS／IaaS市場： 2011年度の市場規模は前年度比1.7倍と大幅な伸び
- DaaS市場：2011年度の市場規模は4倍に急速に拡大
- エンタープライズSaaS市場：10分野を合計した2011年度の市場規模は同16.8％増
2011年度のPaaS／IaaS市場は前年度より1.7倍に拡大、2016年度までの年平均成長率は30.6%
国内PaaS／IaaS市場の2011年度の売上金額は579億円、前年度比74.9%増と大幅な伸びを記録しました。大企業を中心とした導入意欲が一層の高まりを見せたことが要因と考えられ、2012年度も同52.3%増と、引き続き大きな伸び率を維持すると予測しています。2011年度のベンダーシェアでは、前年度に続いてNTTコミュニケーションズがトップを堅持していますが、続く富士通、IBM、Amazon Web Servicesなどの追い上げも好調で、2012年度はベンダー間の差がより縮まる方向に向かうと見ています。 PaaS／IaaSの認知度が向上していることと、東日本大震災以降、ある種トレンドとなった「持たざるIT」の機運の高まりなどで、大企業を中心に導入がさらに増えることから、同市場の2011年度から2016年度までの年平均成長率（CAGR：Compound Annual Growth Rate）は30.6%で、2016年度には2,200億円に拡大すると予測しています。
ITRのシニア・アナリストである甲元宏明は、「PaaS／IaaSの認知度が向上し、いわゆるクラウドに対する嫌疑感はかなり払拭されており、国内ユーザー企業におけるPaaS／IaaSに対する期待は大きいといえます。IaaSは、仮想サーバやサーバOSなどのITインフラを提供するサービスであり、サービスそのものの差別化は容易ではないことから、IaaS市場は価格競争を余儀なくされています。今後は、クラウドサービス・プロバイダー（CSP）の技術力や経営体力の勝負となり、良質なサービスを低価格で提供できる運用技術やノウハウを持つCSPが生き残っていくでしょう」とコメントしています。
「ITR Market View：クラウド・コンピューティング市場2012」のレポート概要
発行日：2012年10月31日
体 裁：製本版（A4判・平綴じ）／220ページ
またはCD-ROM版（全編PDFファイル形式で提供）
発 行：株式会社アイ・ティ・アール
価 格：製本版 17万3,250円（税込）、CD-ROM版 34万6,500円（税込）
対象分野：
- PaaS／IaaS市場／対象ベンダー数32社
- DaaS市場／対象ベンダー数13社
- エンタープライズSaaS市場（10分野）
- -ERP
- -就業管理
- -LMS
- -CRM
- -FAQ作成管理
- -WCM
- -全文検索ソフトウェア
- -マルウェア対策
- -メール総合セキュリティ
- -ファイル転送
- 掲載データ： PaaS／IaaS市場およびDaaS市場の市場規模実績（2010～2011年度）
PaaS／IaaS市場およびDaaS市場のマーケットシェア（2010～2012年度予測）：ベンダー別、業種別 エンタープライズSaaS市場の分野別市場規模実績および予測（10分野）＊1
エンタープライズSaaS市場の当該10分野のマーケットシェア：ベンダー別＊1 エンタープライズSaaS対パッケージの市場規模実績および予測 （～2016年度）
市場分析
PaaS／IaaSおよびDaaSベンダー34社のベンダー・プロファイル：【調査項目】サービス別売上金額／売上比率（チャネル別、業種別、企業売上規模別、企業従業員数別）／戦略／人員構成／主要ユーザー企業 など詳細データ
- ＊1：該当分野を調査対象とした各「ITR Market View」レポート（2012年発行分）に掲載した調査結果データを転載